「やらなきゃいけないことがあるのに、なんとなく先延ばしにしてしまう」
「不安になると、つい余計な確認を繰り返してしまう」
そんな経験、ありませんか?それは「感情駆動行動(EDB)」が関係しているかもしれません。この記事では、感情駆動行動の仕組みと、その対処法を分かりやすく解説します。
Contents
感情駆動行動(EDB)とは?
感情駆動行動とは、ネガティブな感情に突き動かされて「その場しのぎ」の行動をとってしまうことです。
たとえば以下のような行動が典型例です。
- 不安で人との約束を断る
- 怒りが爆発して衝動的に相手にキツい言葉をぶつける
- 憂うつな気分を紛らわせるために過食やアルコールに頼る
- 失敗が怖くて、物事を先延ばしにする
これらの行動は、一時的には「気分がラクになる」ように感じられますが、長い目で見ると状況を悪化させたり、自己嫌悪につながってしまうことが多いのです。
感情駆動行動が習慣化するとどうなる?
EDBが繰り返されると、「感情=行動」のパターンが固定化され、自分をコントロールしにくくなります。
例えば:
- 不安 → 回避 → その場はラク → 経験の幅が狭まり、さらに不安が強まる
- 落ち込み → 何もしない → 物事が停滞 → 自己否定が強まる
このような悪循環が続くと、自己効力感(自分はできるという感覚)が下がり、ますます行動できなくなってしまいます。
感情駆動行動への対処法
① 感情と行動を分けて考える
感情そのものは自然なものです。大切なのは「その感情をどう扱うか」。
「今、不安を感じている。でも、それとは別に、自分が大切にしたい行動は何だろう?」と、一歩立ち止まって考えてみましょう。
② 小さな行動目標を設定する
気分に左右されずに行動するには、ハードルを下げることがポイントです。
例:
- 「全部やらなきゃ」と思うと動けなくなる → 「5分だけやってみる」
- 「完璧に答えなきゃ」と思うと緊張する → 「自分なりの一言だけ伝える」
小さな成功体験を積み重ねることで、行動パターンを少しずつ変えていくことができます。
③ 感情日記や感情ラベリングを活用する
感情に名前をつけて整理する「感情ラベリング」も効果的です。
「今、私は不安を感じているんだな」と言葉にするだけでも、感情に振り回されにくくなります。
紙に書き出す「感情日記」も、自分の感情と冷静に向き合うための良い方法です。
まとめ
感情駆動行動は、誰にでも起こる自然な反応ですが、そのまま放置しておくと、生活の質を下げてしまうこともあります。
「気分に左右されず、自分の望む行動を選択する」ことは、簡単ではありませんが、少しずつ練習すれば身につけることができます。
仙台泉メンタルサポートオフィスでは、こうした感情と行動の関係に着目し、認知行動療法の考え方を取り入れたカウンセリングを行っています。
「感情に振り回されず、もっと自分らしく生きたい」と感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。