ADHDと診断された過去から、自分らしさを知る未来へ
数年前、職場でのミスが続いたことで、彼の日常は立ち行かなくなりました。提出期限が守れない、集中力が続かず作業に時間がかかる、その一方で特定の作業には異常なほど没頭してしまう「過集中」がある、マルチタスクが困難……。こうした特性から心身のバランスを崩し、医療機関を受診。そこで適応障害、そしてADHDの診断を受けました。
その後、症状は回復したものの、職場は退職することに。「自分は一体、何が得意で何が苦手なんだろう?」という疑問を抱え、自分の能力を客観的に知りたいと当オフィスを訪れました。
頭の回転に作業が追いつかない「思考の葛藤」
WAIS-IV検査を実施した結果、彼の特性が鮮明になりました。特に印象的だったのは、「一般知能」と「作業能力」との間に大きな乖離が見られたことです。彼の持つ高い思考力や頭の回転の速さに、実際の作業スピードが追いついていないという、まさに「思考の葛藤」とも言える状態が示唆されました。
しかし、これは決してネガティブな結果ではありません。**「シングルタスクの課題では絶大な遂行能力を発揮できる反面、マルチタスクになるとその能力が活かせない」**という、強みと弱みがはっきりと示されたのです。
期待以上の「自分らしさ」との出会い
検査結果のフィードバック面接では、彼と一緒に具体的な対策を話し合いました。職場でのタスク管理の工夫や、過集中を活かす方法など、彼の特性をポジティブに捉えるための具体的なヒントを提案しました。
フィードバックを終えた彼は、晴れやかな表情でこう語ってくれました。
「ここまで自分のことが分かるなんて思っていませんでした。期待以上に、自分という人間や、生活上の工夫について深く知ることができました。これから、この結果を活かして、新しい働き方を探してみたいと思います。」
自分の特性を理解し、それを強みとして活かす方法を見出し、自分に合う仕事を見つけるヒント得れたようでした。
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