経験豊富なベテラン社員が、自己理解という羅針盤を求めた日
長年、管理職として活躍してきた彼は、仕事上大きなミスや困難さはないものの、部下の話をメモに取りながら聞くことや、聞いた内容を覚えきれていないことに不安を抱えていました。また、今の仕事が自分に合っているのか、今後のキャリアはこのままでよいのかといった漠然とした不安感も感じていました。これまでの経験や勘だけでは解決できないと感じ、客観的な自己理解を深めるため、WAIS-Ⅳ検査を予約されました。
経験と客観的指標、そしてエゴグラムが繋がった日
検査の結果、知能全体に大きな凹凸はなく、バランスの取れた能力を持つことが示されました。一方で、言語理解がやや高く、作業系能力がやや低いという結果は、「思考の整理は得意だが、スピードを求められる作業には少し苦手意識がある」という彼の感覚を裏付けるものでした。
そこで、彼のマネジメントにおける不安に焦点を当て、「エゴグラム」という性格検査も併用。結果、「NP(養育的な母親)」と「AC(従順子ども)」が高く、「CP(厳格な父親)」と「FC(自由な子ども)」が低いという特性が示唆されました。これは、彼が部下の気持ちに寄り添うことは得意だが、上司として必要なときに厳しく指導することが苦手である可能性を示していました。
フィードバック面接では、これらの結果と彼の悩みを照らし合わせながら、今後の具体的な戦略を話し合いました。
「相手の会話のペースにのまれず、適宜区切りながら話を整理して聴いていく」「部下を指導する際には、相手の気持ちに寄り添いつつも、時には必要な指導をするといった意識を持つ」といった具体的なアプローチを検討。
検査結果と自身の性格特性、そして悩みが結びついたことで、彼はモヤモヤしていた理由がはっきりと分かり、今後のキャリアをもう一度デザインし直す決意を固めました。
WAIS-Ⅳに関するご予約・お問い合わせの詳細はコチラ→知的特性を見える化しませんか?【WAIS⁻Ⅳ】