相談事例

出勤前の戸締りや元栓の確認などに30分以上の時間を要するようになってしまい、職場を休職。医療機関を受診し薬物療法で症状は軽減するも、妊娠を希望されるため薬物治療を中断し、カウンセリングでのフォローアップを希望されました。

　元来、真面目な性格で、仕事のストレスが強まると確認行動が増加するところがあるようでした。まずは、認知行動療法的に強迫症状が出現する時の状況や思考パターン、感情を特定していき、確認回数を限定したり、注意分散法などの行動療法的な対応を主体におこなうことで、症状を軽減していくことができました。また、症状が落ち着いてきた後、確認行動の背景に、家族との関係があることが見出され、日誌や認知再構成法などワークを用いてじっくり振り返ることで家族との関係性を捉え直すことができ、症状の再燃も防ぐことができるようになりました。

大学に入学するも、元来人目を気にする傾向にあり、教室移動や講義の登録が上手くいかず大学を休学。そのまま引きこもり状態となったところで両親が心配され医療機関を受診。薬物療法と共にカウンセリングが実施されました。

　言葉で説明することが苦手なところがあり、行動療法を主体とした対応を実施しました。短時間の外出や人目に付かない時間帯の外出等を繰り返し、少しずつ外出することや人前に出ていくことに慣れていくことができました。

　大学は退学することになったものの、アルバイトを始めることができるまで回復することができました。

職場で上司や同僚にどのように評価されているのか気になり、仕事で小さな失敗があっても自分を許すことができず不適応となり職場を転々としていました。医療機関を受診しますが、「自分の考え方に問題があるのでは」と感じ、カウンセリングを希望されました。

　認知行動療法的アプローチを実施し、職場での自身の状態を振り返っていただき、シートに記入し、自己理解を深めていきました。その後、認知再構成法によって幅広い考え方を獲得していき、上司や同僚の目を気にし過ぎず勤めることができるようになりました。「シートに記入することで自分の考えを客観的にみることできて、どうでもいいこと考えてるなぁと振り返ることができた」と話し、その後、職場での評価を気にし過ぎないようになれたそうです。

会社でのミスがきっかけで不眠となり、意欲の低下や気分の落ち込みなどがみられ医療機関を受診。休職を言い渡され、休職期間の間にカウンセリングを希望されました。

　寝付きの悪さをどうにかしたいとのことで、睡眠に関する心理教育を行い、起床時間の調整や日中の活動の見直しを行うことで不眠を解消することができました。その後、職場を退職し、復職に対する不安について認知行動療法に取り組まれました。復職に関する不安についてシートに書き出してた段階で、「余計なことを考え過ぎているな」と気付くことができ、その後、不安を生み出す思考をコントロールすることができるようになりました。その後、無事に復職を果たし、これまで以上にやりがいをもって仕事に取り組むことができるようになりました。