当オフィスのカウンセラーは1000件を超える症例に携わっております。これまで携わった症例の一部をご紹介致します。
20代・女性・会社員|強迫性障害(確認行動)/妊娠希望のため薬以外のサポートを希望
出勤前の戸締りやガスの元栓の確認に30分以上を費やすようになり、仕事を休むことが増えて休職に。医療機関では強迫性障害と診断され、薬で症状は一時的に軽減したものの、妊娠を希望されていたため、薬以外のサポートとしてカウンセリングを希望されました。
真面目で責任感の強い性格から、不安に対処するための確認行動が強くなる傾向がありました。カウンセリングでは、強迫行動が出る状況や思考パターンを整理しながら、「暴露反応妨害法(ERP)」を取り入れた支援を行いました。これは、不安を感じる状況(暴露)にあえて直面しながら、その後の確認行動(反応)を控えることで、不安を乗り越える力を育てる方法です。
さらに、確認回数を減らす練習や注意分散法などの行動療法的アプローチも併用し、日常生活への不安が徐々に軽減されていきました。
その後、背景にあった家族との関係性にも焦点を当て、日誌やワークを通じて自己理解を深めることで、症状の再発を防ぐ力も育まれました。現在は安定した日常を取り戻し、復職に向けて一歩ずつ歩まれています。
10代・男性・大学生|対人恐怖症(社会不安)/人前が怖くて外出できない状態に
大学進学後、講義登録や教室移動など、他人の視線を強く意識してしまい、日常的な行動が困難に。やがて大学を休学し、ほとんど外出しない状態に。ご両親の勧めで医療機関を受診し、薬物療法と並行してカウンセリングを開始されました。
もともと言葉で気持ちを表現することが苦手であったため、行動療法を中心とした段階的なアプローチを実施しました。最初は人目につかない時間帯に自宅周辺を短時間歩くなど、小さな目標から始め、徐々に人との接点を増やしていく練習を重ねました。
継続的な取り組みによって、「外に出られた」「買い物ができた」といった成功体験が積み重なり、人前に出る不安を徐々に克服。最終的には大学は退学という選択をされましたが、その後、人と関わるアルバイトに挑戦できるまでに回復され、自信を取り戻していかれました。
20代・女性・会社員|適応障害/他者の評価が気になりすぎて職場に馴染めない
職場での人間関係において、上司や同僚から「どう思われているか」が常に気になり、仕事上の小さなミスも過度に自分を責めてしまう傾向がありました。不安や緊張が積み重なり、転職を繰り返す中で心身のバランスを崩し、医療機関を受診。「自分の考え方に原因があるのでは」と感じ、カウンセリングを希望されました。
まずは認知行動療法的アプローチを用い、職場での出来事やそのときの気持ち、考え方を記録するシートを活用しながら、思考と感情のパターンを見つめ直していきました。記録を通じて「自分を客観的に見る」習慣が身につき、極端な思い込みに気づけるようになっていきました。
さらに、認知再構成法により、「絶対に失敗してはいけない」「評価されなければ価値がない」といった自動思考に柔軟性が生まれ、状況に応じた考え方を少しずつ選べるように。カウンセリング終盤では、「シートに書くことで、どうでもいいことで悩んでいたと気づけた」「完璧でなくても大丈夫だと思えるようになった」と語られていました。
現在は、他者の評価を過度に気にすることなく、安定して同じ職場で働き続けることができています。
40代・男性・会社員|睡眠障害/不眠と意欲の低下から回復し、やりがいのある復職へ
会社でのミスをきっかけに強い不安感が生じ、夜になると考えが止まらず不眠状態に。次第に気分の落ち込みや意欲の低下も見られるようになり、医療機関を受診。休職となったことを受けて、カウンセリングを希望されました。
ご相談当初は「とにかく眠れるようになりたい」との訴えが強く、睡眠に関する心理教育からスタート。生活リズムの見直しや起床時間の固定化、日中活動の調整を行ったところ、徐々に寝つきや中途覚醒の頻度が減り、睡眠の質が改善されていきました。
その後、職場への復帰を前に「また失敗するのでは」といった不安が強まったため、認知行動療法的アプローチを導入。復職に対する具体的な不安や思い込みをシートに書き出して整理する中で、「自分で自分を追い詰めていた」「余計なことを考えすぎていた」と気づき、不安を生み出す思考をコントロールできるようになっていきました。
現在は無事に職場に復帰され、「以前よりもやりがいを感じながら仕事に取り組めている」と語られています。