読むセルフケア

生きづらさの原因?認知の歪みを知り、楽になる方法

「なぜかいつもネガティブに考えてしまう…」「周りの人の言葉を悪く捉えがち…」

もしあなたがそう感じているなら、それは「認知の歪み」が影響しているかもしれません。認知の歪みとは、物事を非現実的または否定的に捉えてしまう思考のクセのことです。

仙台泉メンタルサポートオフィスがお届けする今回のセルフケアブログでは、私たちが陥りやすい様々な認知の歪みとその具体的な対応方法について解説します。認知の歪みを知り、修正することで、より楽に生きられるヒントを泉区の皆様にお届けします。

認知の歪みとは?|無意識の思考パターンが生きづらさを生む

私たちは、日々の出来事を自分なりのフィルターを通して解釈しています。このフィルターが歪んでいると、客観的な事実とは異なる捉え方をしてしまい、ネガティブな感情や行動につながることがあります。

認知の歪みは、誰にでも起こりうるものですが、その度合いが強いと、日常生活や人間関係において様々な困難を引き起こし、生きづらさを感じてしまう原因となることがあります。

代表的な10種類の認知の歪み|あなたはいくつ当てはまる?

ここでは、代表的な10種類の認知の歪みを紹介します。自分に当てはまるものがないか、チェックしてみましょう。

  1. 全か無かの思考(白黒思考): 物事を極端に二つのカテゴリーで捉え、中間的な可能性を考えられない。「完璧にできないなら、やらない方がましだ」など。
  2. 一般化のしすぎ: たった一度や数回の嫌な経験に基づいて、「いつもこうだ」「みんなそうだ」と結論づけてしまう。「一度失敗したから、自分は何をやってもダメだ」など。
  3. 心のフィルター: ポジティブな情報は無視し、ネガティブな情報ばかりに焦点を当ててしまう。「みんなは褒めてくれたけど、一人だけ批判した人がいた。やっぱり自分はダメだ」など。
  4. マイナス化思考: ポジティブな出来事や経験を、「たまたまだ」「運が良かっただけだ」と否定的に捉えてしまう。「昇進できたけど、周りが助けてくれたからだ」など。
  5. 感情的な理由づけ: 自分の感情が真実を反映していると思い込んでしまう。「不安だから、きっと悪いことが起こるに違いない」など。
  6. レッテル貼り: 自分や他人に対して、否定的で固定的なレッテルを貼ってしまう。「自分はダメな人間だ」「あの人は意地悪だ」など。
  7. すべき思考: 「~すべき」「~ねばならない」というルールに固執し、自分や他人を厳しく評価してしまう。「もっと頑張るべきだ」「人に迷惑をかけるべきではない」など。
  8. 誇大視と過小評価: 自分の失敗や欠点は過度に大きく捉え、長所や成功は過小に評価してしまう。他人の場合は逆になることが多い。「自分は小さなミスも許せない」「あの人の成功は大したことない」など。
  9. 読心術: 根拠がないのに、「あの人は自分のことを嫌っているに違いない」などと、相手の心を勝手に推測してしまう。
  10. 予言の自己成就: 悪いことが起こると信じ込んでいると、その予測が現実になってしまう。「どうせ失敗するだろうと思ってたら、本当に失敗した」など。

認知の歪みに気づき、対応するための3つのステップ

認知の歪みに気づき、よりバランスの取れた考え方をするためには、以下の3つのステップが有効です。

ステップ1:自分の思考を意識化する

まず、自分がどのような時に、どのようなことを考えているのかを意識的に観察してみましょう。日記をつけたり、気になる感情が湧き上がった時に、その直前の思考を書き出してみるのも良いでしょう。

  • 例:「プレゼンでうまく話せなかった…(思考)→ 落ち込み(感情)」

ステップ2:歪んだ思考パターンに気づく

書き出した思考を客観的に見つめ、上記の「代表的な10種類の認知の歪み」に当てはまるものがないか確認してみましょう。

  • 例:「『自分は本当にダメな人間だ』という考えは、【レッテル貼り】と【一般化のしすぎ】に当てはまるかもしれない」

ステップ3:より現実的でバランスの取れた思考を探す

歪んだ思考に気づいたら、それに対する反論を考え、より現実的でバランスの取れた別の考え方を意識的に作り出してみましょう。

  • 例:「プレゼンでうまく話せなかったのは事実だけど、準備不足だったかもしれない。それに、聞いている人の中には理解してくれた人もいたかもしれない。『自分はダメな人間だ』と決めつけるのは早すぎる」

このステップを繰り返すことで、徐々に認知の歪みを修正し、より柔軟で現実的な思考パターンを身につけることができます。

認知の歪みを修正するための具体的なテクニック

上記の3つのステップに加えて、以下のテクニックも認知の歪みを修正するのに役立ちます。

  • 証拠を探す: 自分の考えが本当に正しいのか、それを裏付ける具体的な証拠を探してみる。反証となる情報にも目を向ける。
  • 最悪のシナリオと最高のシナリオを考える: 悲観的な考えに囚われている場合は、最悪の事態だけでなく、最高の事態やその中間の可能性も考えてみる。
  • 他者の視点を取り入れる: 親しい友人や信頼できる人が同じ状況に置かれたら、どのように考えるかを想像してみる。
  • 「もし~だったら?」と問いかける: 自分の思考の絶対性を疑い、「もし自分の考えが間違っていたら?」と問いかけてみる。
  • 認知再構成法: 歪んだ思考を特定し、より現実的で適応的な思考に置き換える認知行動療法の技法。専門家のサポートが必要な場合は、ご相談ください。

仙台泉メンタルサポートオフィスからのメッセージ|認知の歪みと向き合い、より楽な生き方を

認知の歪みは、私たちが無意識のうちに繰り返してしまう思考のクセであり、生きづらさの原因となることがあります。しかし、認知の歪みに気づき、意識的に修正していくことで、より柔軟で楽な生き方を送ることが可能です。

仙台泉メンタルサポートオフィスでは、認知の歪みの理解と修正に関するカウンセリングや 認知行動療法を行っています。「いつもネガティブに考えてしまう」「人間関係で悩んでしまう」など、生きづらさを感じている方は、一人で悩まずにご相談ください。 心理療法の専門家が、あなたの思考のクセを見つめ、より穏やかな心の状態を取り戻すためのサポートをさせていただきます。