カウンセリングと聞くと、頭の中を整理したり、解決策を見つけたりする場所だと考えるかもしれません。もちろんそれも重要な側面ですが、私自身が日々のカウンセリングを通して強く感じているのは、「感情との向き合い方」が何よりも大切だということです。
私たちが心の中に抱える「モヤモヤ」や「生きづらさ」は、実は向き合ってこなかった感情の積み重ねである場合が少なくありません。
- 怒りを感じないように、つい笑ってごまかしてしまう。
- 悲しいという気持ちに蓋をして、平気なふりをする。
- 不安から逃れるために、問題から目をそらす。
このような「感情の回避」を続けていると、感情は行き場を失い、やがて心の奥に溜まっていきます。そして、その感情は、突発的な怒りや抑えきれない不安として、いつか私たちを支配し始めることがあります。以前ご相談いただいた方の、感情が爆発してカバンを投げてしまった件も、まさにこの感情の行き詰まりが原因だったと言えるでしょう。
なぜ感情に向き合うことが大切なのか?
感情と向き合うことは、決してつらい感情を無理に直視することではありません。それは、感情の存在を認め、その感情がどこから来ているのかを理解し、その感情をどう扱うかを決める「感情との対話」の練習です。
認知行動療法やコラム法は、この対話を助けるためのツールです。考え方のクセ(認知の歪み)を分析することは、感情が生まれる背景を理解する作業です。また、自律訓練法は、感情によって揺さぶられた心身を自分で落ち着かせ、冷静に感情と向き合うための土台を築きます。
こうした手法は、つらい感情を「なかったこと」にするのではなく、感情が生まれた仕組みを理解し、「もう感情に振り回されない自分」になるための力を育むのです。
カウンセリングは、感情を安全に「見せる場所」
カウンセリングという時間は、これまで避けてきた感情を、誰にも否定されることなく、安全に「見せる場所」です。
私たちは、その感情を「なぜ、その時、そのように感じたのか」を一緒に探していきます。それは、あなたがこれまで頑張って抑え込んできた感情を、少しずつ解放し、自分自身を深く理解していくための大切なプロセスです。
感情に向き合うことは、勇気がいることです。時には辛くてやめたくなることもあるでしょう。しかし、その先に待っているのは、感情に振り回されない、より軽やかで自分らしい毎日です。
私たちは、その一歩を全力でサポートします。