まずは、それぞれの役割を整理しましょう。
- 病院(精神科・心療内科)
- 役割: 診断、薬の処方、医学的な観点からの治療が中心です。
- 得意なこと: 不安や不眠、気分の落ち込みといった症状の軽減。薬によって脳内の神経伝達物質のバランスを整え、つらい状態を早く回復させます。
- 向いている人:
- 不眠で日常生活に支障が出ている。
- 早急に症状を緩和させたい
- 食欲がなく、体重が減少した。
- 気分が落ち込み、何もやる気が起きない。
- めまいや動悸など、身体的な症状が強く出ている。
- カウンセリングオフィス
- 役割: 心理的なアプローチを通じて、悩みや問題の本質を探り、解決のヒントを見つけます。
- 得意なこと: 気持ちの整理、思考の癖や行動パターンの見直し、ストレスへの対処法を身につけること。
- 向いている人:
- 漠然とした生きづらさを感じている。
- 人間関係の悩みを根本的に解決したい。
- 自分の性格や考え方の癖を深く理解したい。
- 薬に頼らず、対話を通じて自分自身と向き合いたい。
「薬か、カウンセリングか」迷ったときの判断基準
「どちらか一つを選ばなければ」と考える必要はありません。両方を上手に使い分けることで、より良い回復が期待できます。
1. 身体症状が強い場合は、まず病院へ
不眠、食欲不振、動悸、めまいなど、身体に明らかなサインが出ている場合は、まず心療内科や精神科を受診することを強くお勧めします。症状を緩和することで、心に余裕が生まれ、その後のカウンセリングもスムーズに進められることが多いです。
2. 症状ではなく「生き方」に悩んでいる場合は、カウンセリングへ
「なぜかいつも人間関係でつまずく」「自分の性格や考え方を見直したい」「漠然とした不安をどうにかしたい」といった、症状というよりは人生や生き方に関する悩みが中心の場合、カウンセリングが力になります。
専門家への相談が、あなたの判断を助けます
もし、ご自身で判断するのが難しい場合は、どちらかの専門家にまず相談してみましょう。
- 病院でカウンセリングを勧められることも
- 医師が「投薬治療よりも、対話によるアプローチが有効」と判断した場合、院内や地域のカウンセリング機関を紹介してくれます。
- カウンセラーから病院受診を勧められることも
- カウンセリングを進める中で、不眠や食欲不振などの身体症状が見られる場合、私たちは専門医の受診を促すことがあります。これは、クライエント様がより早く回復するための最善の選択肢を提案するためです。
まとめ:大切なのは、あなたの気持ちに合った選択をすること
「薬に頼りたくない」という気持ちも、「今すぐこのつらさをどうにかしたい」という気持ちも、どちらも大切な心の声です。
どちらを選んだとしても、それはあなたが自分自身を大切にしたいという気持ちから生まれた行動です。
もし、ご自身の症状や悩みの相談先について迷っている方は、まずはお気軽にご相談ください。

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