「もっとちゃんとやらなきゃ」
「私はダメな親かもしれない」
「人とうまく付き合えないのは自分が足りないせいだ」
そんなふうに自分を責めて、心が疲れてしまっていませんか?
実はその“がんばりすぎ”が、知らず知らずのうちに心を追い詰めていることがあります。
そこで今回は、イギリスの精神分析医 D.W.ウィニコットの有名な考え方「グッド・イナフ・マザー(ほどよい母親)」を紹介しながら、認知行動療法やカウンセリングと絡めて、心を少し軽くするヒントをお伝えします。
Contents
「ほどよい親」でいい ─ ウィニコットのグッド・イナフとは?
ウィニコットは、子どもが健やかに育つために親が「完璧」である必要はないと述べました。
大切なのは、「ほど良い(good enough)」親であること。つまり、失敗しても、間違えても大丈夫。その中で少しずつ子どもは成長していくのだという視点です。
この考え方は、子育てに限らず、人間関係や自分自身との向き合い方にも当てはまります。たとえば――
- 仕事でうまくいかなかった日があっても、自分の価値がなくなるわけではない
- 誰かと気まずくなっても、「ダメな人間」だと決めつける必要はない
- 失敗や不完全さは、成長の糧になりうる
つまり、「完璧じゃなくていい。ほどよくやっていけばいい」という自己受容が、心の健康につながるのです。
認知行動療法で「完璧思考」から少し離れてみる
認知行動療法(CBT)では、私たちの気分や行動に影響を与えている「自動思考(とっさに浮かぶ考え)」に注目します。
「ちゃんとやらなきゃダメだ」
「100点でなければ意味がない」
「人に迷惑をかけたらもう終わりだ」
こうした極端な完璧主義の思考が、自分を追い込んでしまうケースがよくあります。
CBTでは、「その考え、本当に根拠があるかな?」「他の見方はできないかな?」といった柔らかい視点を持つ練習をしていきます。
たとえば、
- 「今日ちょっと失敗したけど、全体としてはがんばった」
- 「迷惑をかけたかもしれないけど、それを取り返す方法もある」
というふうに、自分を責めすぎない考え方に少しずつシフトしていくのです。
カウンセリングは「ほどよくいる」練習の場
カウンセリングでは、自分の気持ちや考えを言葉にすることが大切です。
それによって、抱えていたモヤモヤが整理され、少しずつ「こう思ってもいいんだ」「それでも大丈夫なんだ」と感じられるようになります。
仙台泉メンタルサポートオフィスのカウンセリングでは、完璧な答えや模範解答を求めるのではなく、クライエントが“ほどよく”自分を受け入れるプロセスを大切にしています。
時には、自分を責めるパターンに気づいたり、日常の小さな達成を一緒に喜んだり。そんな一歩一歩が、心の回復と安定につながります。
最後に──「ほどよい」は力になる
「がんばりすぎる」ことが当たり前になっている現代だからこそ、ウィニコットの「ほどよい」という考え方は、私たちに大切なメッセージをくれます。
完璧じゃなくていい。むしろ、ほどほどがちょうどいい。
そんな視点を持つだけで、心は少し軽くなり、呼吸も深くなります。
もしあなたが、「このままじゃ苦しい」と感じていたら、「仙台 カウンセリング」で検索してみてください。
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心が疲れたときにはご相談ください
仙台泉メンタルサポートオフィスでは、臨床心理士・公認心理師によるカウンセリングを行っています。
自分に優しくなりたい方、こころのセルフケアに関心のある方は、どうぞお気軽にご相談ください。