もうすぐ楽しいゴールデンウィーク(GW)。しかし、連休明け「なんだか会社に行きたくない」「学校に足が向かない」と感じることはありませんか? 実は、GW明けは退職や不登校が増えやすい時期と言われています。
今回は、なぜGW明けにそのような気持ちになりやすいのか、その原因をメンタルヘルスの観点から掘り下げ、具体的な対策やヒントをお届けします。GW明けも健やかな気持ちで過ごせるよう、ぜひ参考にしてください。
Contents
GW明けに「行きたくない」「辞めたい」が増える原因|メンタルヘルスから考える
GW明けに退職や不登校が増えやすい背景には、連休がもたらす特有の心理状態や環境の変化が影響しています。
1.生活リズムの急激な変化による心身の負担
GW期間中は、普段の仕事や学校のスケジュールから解放され、夜更かしや不規則な生活を送りがちです。連休明けに急に元の生活に戻ろうとすると、体内時計が乱れ、自律神経のバランスが崩れやすくなります。これにより、倦怠感、集中力の低下、気分の落ち込みなど、様々な心身の不調が現れやすくなります。
2.連休と現実のギャップ
楽しい思い出や自由な時間を過ごした反動で、連休明けの仕事や学校の現実とのギャップを強く感じやすくなります。「また、あの忙しい日々に逆戻りか…」というネガティブな感情が湧き上がり、強いストレスを感じることがあります。
3.将来への不安や現状への不満の顕在化
大型連休中は、自身のキャリアや将来、現在の職場や学校環境について改めて考える良い機会となることがあります。その結果、これまで見て見ぬふりをしてきた不満や不安が表面化し、「このままでいいのだろうか…」という気持ちが強まることがあります。
4. 社会的な繋がりの変化と孤独感
GW中に家族や友人と過ごすことで、普段感じていなかった孤独や社会的な繋がりの希薄さを痛感することがあります。特に、一人暮らしの方や新しい環境に身を置いている方は、連休明けに強い孤独感を感じやすい場合があります。
5. 肉体的・精神的疲労の蓄積
GW中に予定を詰め込みすぎたり、帰省や旅行で疲労が蓄積したりすることがあります。また、ゴールデンウィーク中は、普段会わない親戚や旧友との交流など、いつもとは違う人間関係の中で気を使いすぎて精神的に疲れることがあります。これらの蓄積した疲労が、連休明けの心身の状態を悪化させる可能性があります。
GW明けの「行きたくない」「辞めたい」を防ぐためのメンタルヘルス対策
GW明けに心身の状態を安定させ、スムーズに日常生活に戻るためには、連休中の過ごし方と連休明けの過ごし方が重要になります。
【連休中の対策】
- 生活リズムを大きく崩さない: 夜更かしはほどほどにし、できるだけ普段の起床・就寝時間を意識しましょう。
- 適度な休息と活動のバランス: 楽しい予定だけでなく、意識的に休息時間を取り入れ、心身を休ませましょう。
- 一人で落ち着いて過ごす時間を作る: 家族や友人との交流も大切ですが、自分のペースでリラックスできる時間も確保しましょう。
【連休明けの対策】
・徐々に生活リズムを戻す: 連休最終日から、少しずつ普段の起床・就寝時間に近づけるように調整しましょう。
・連休明けの数日は無理をしない:仕事や学校が始まっても、 すぐに全力で活動しようとせず、徐々にペースを取り戻しましょう。
・ 困ったときは専門家の助けを求める: 強い精神的なしんどさを感じたら、一人で抱え込まず、専門機関に相談しましょう。
・職場の同僚や友人と連絡を取る: 不安な気持ちを共有したり、サポートを求めることで、 精神的な負担を軽減できます。
・ 軽い運動やリラックスできる時間を作る: ウォーキングやストレッチ、趣味の時間など、心身のリフレッシュになる活動を取り入れましょう。
・ 栄養バランスの取れた食事を心がける: 健康的な食事は、精神状態の安定にもつながります。
【管理職・学校の先生向け】GW明けの精神的な不調をサポートするヒント
GW明けは、職場や学校全体で精神的な不調を抱える人が増えやすい時期です。管理職や先生方がメンタルヘルスな観点から従業員や生徒をサポートすることで、ネガティブな状況の悪化を防ぎ、安心して過ごせる環境づくりに繋がります。
【管理職の方ができること・ヒント】
- 連休明け数日は軽易な業務から: 連休明けに責任の重い重大な業務を課すのではなく、徐々にペースを戻せるように配慮しましょう。
- 短時間の個人面談の実施:従業員一人ひとりの連休中の過ごし方や現在の体調、精神状態を短時間でも確認する機会を設けましょう。「何か困ったことはないか」「体調は大丈夫か」といった声かけだけでも安心感につながります。
- 会議などの雰囲気は和やかさを重視する: 連休明け早々の会議では、業務連絡だけでなく、連休中の従業員の思い出を共有する時間などを設け、雰囲気を和やかにする工夫をしましょう。
- 悩みを相談しやすい雰囲気づくり:「何かあればいつでも相談してほしい」というメッセージを伝え、 悩みを気軽に話せる雰囲気を意識的に作りましょう。
- 専門機関の情報を提供: 職場の相談窓口や外部の専門的なサポート機関の情報を従業員に周知しておきましょう。
- 不調の兆候に気づく:遅刻や欠席が増えた、集中力が低下している、以前より口数が減ったなど、従業員の様子が以前と異なる点があれば、声をかけ、精神的な負担を感じていなか注意深く観察しましょう。
- 柔軟な働き方の検討:可能であればであれば、 連休明けの数日はテレワークや時短勤務など、柔軟な働き方を検討することも有効です。
【学校の先生ができること・ヒント】
- 最初の数日は学習内容を穏やかに: 連休明けすぐに重要なテストや重い課題を課すのを避け、落ち着いて学校生活のリズムを取り戻せるような学習内容にしましょう。
- 生徒一人ひとりの様子を注意深く観察: 欠席、遅刻、元気がない、集中できていないなど、生徒の様子がいつもと異なる点があれば、慎重に声をかけ、精神的な負担がないか注意深く観察しましょう。
- 個別の短い会話の機会: 生徒一人ひとりと短い時間でも話す機会を設け、連休中の思い出や学校生活への気持ちなどを教員が受け止める姿勢を示しましょう。
- 学級活動などを通してつながりを強める: 連休明け最初の学級活動で、チームゲームやグループワークなど、生徒同士のつながりを強める活動を取り入れましょう。
- 相談しやすい雰囲気づくり: 「何か困ったことがあれば、いつでも先生に話してね」というメッセージを伝え、生徒が精神的な悩みをオープンに話せる雰囲気を意識的に作りましょう。
- スクールカウンセラーとの連携: 精神的な不調を抱える生徒がいる場合は、スクールカウンセラーと連携し、適切なサポート体制を整えましょう。
仙台泉メンタルサポートオフィスからのメッセージ|誰もが安心して過ごせる社会のために
GW明けは、私たち一人ひとりだけでなく、職場や学校全体で精神的な負担が増加しやすい時期です。管理職や先生方が精神的な視点を持って従業員や生徒をサポートすることで、 退職や不登校となる状況を未然に防ぎ、安心して連休明けのスタートを切れるような社会を目指しましょう。
もし、職場や学校で精神的な不調を抱える従業員や生徒への対応に困難を感じている場合は、仙台泉メンタルサポートオフィスまでお気軽にご相談ください。