「なんだか最近、心が落ち着かない…」「仕事や人間関係でいつも不安を感じている…」
もしあなたがそう感じているなら、日々の忙しさから少し離れて、「今この瞬間」 に意識を向ける心の休息法、マインドフルネス を試してみませんか?
仙台泉メンタルサポートオフィスがお届けする今回のセルフケアブログでは、近年注目を集めているマインドフルネスについて、その基本的な考え方から得られる効果、脳への影響、そして日常生活への簡単な取り入れ方まで、わかりやすく解説します。
Contents
マインドフルネスとは?|過去や未来への囚われから「今ここ」へ
マインドフルネスとは、良い・悪いといった判断をせずに、自分の心の中で起こる思考や感情、そして周りの状況にただ気づき、受け入れる ことです。
私たちは普段、過去の出来事を思い出して後悔したり、まだ起こっていない未来のことに不安を感じたりと、「今この瞬間」 以外のことに心を奪われがちです。
例えば、
- 「あの時、ああしていれば…」と過去の出来事を繰り返し考えてしまう(後悔)
- 「明日までにこの仕事を終わらせなければ…」と未来のことで頭がいっぱいになる(不安)
このような状態は、心が過去や未来に囚われていると言えます。すると、「今、この場」 で本当に取り組むべきことに集中できなくなってしまうのです。
マインドフルネスは、このような心の状態から私たちを解放し、「今ここ」への集中力を高める ことをサポートします。
マインドフルネスで得られる3つの効果|集中力向上、不安への対処、感情のコントロール
マインドフルネスを実践することで、様々な心の変化を実感できるでしょう。主な効果として以下の3つが挙げられます。
1.集中力の向上|「ゾーン」体験との関連性
マインドフルネスは、目の前のことに意識を向けやすくし、聞いたことや読んだことに深く没頭する 力を養います。注意散漫になることが減り、集中力が持続するのを実感できるでしょう。
スポーツの世界でよく言われる「ゾーンに入る」 という体験をご存知でしょうか? 周りの音が消えたり、周囲の動きがゆっくりと感じられたりするあの感覚は、集中力が極限まで高まった状態です。マインドフルネスの実践は、このような集中力を引き出し、最高のパフォーマンス を発揮する助けとなるため、アスリートの方にも有効です。
2.不安への対処|未来への囚われから解放
先述の通り、不安はまだ起こっていない未来のことに心を奪われることで生まれます。マインドフルネスによって「今この瞬間」 に意識を向ける習慣を身につけることで、未来の不確実さに過度に心を揺さぶられることが少なくなります。
また、マインドフルネスは、自身の思考や感情を受け入れる ことを促します。不快な感情に直面することもあるかもしれませんが、それらに気づき、受け入れることで、感情に振り回されることなく、冷静に対処できるようになるでしょう。
3.感情のコントロール|感情に気づき、手放す
マインドフルネスのアプローチでは、感情に抵抗したり、無理に抑えつけたりするのではなく、湧き上がってくる感情をただ受け止めます。まるで空に浮かぶ雲のように、ストレスの中で浮き沈みする感情を、中立の立場から観察するのです。
自分の中に生じている一時的な感情にしっかりと気づくことで、「感情=自分」という誤った認識から解放されます。感情のコントロールは、以下のステップで行われます。
- 感情に名前を付ける: 怒り、幸せ、孤独、恐怖など、今感じている感情を言葉にしてみましょう。
- その感情が生じている自分を許す: どんな感情を抱いても、それは自然なことです。自分を責めずに受け入れましょう。
- 身体の感覚に意識を向ける: ドキドキする、胸が締め付けられるなど、感情と結びついた身体の感覚に気づきましょう。
- 感情は一時的なものと理解する: 今感じている感情は、ずっと続くものではありません。やがて通り過ぎていくものだと認識しましょう。
マインドフルネスが脳に及ぼす影響|科学的な視点から
マインドフルネスの実践は、私たちの心だけでなく、脳にも良い影響を与える ことが科学的に明らかになっています。具体的には、感情や感覚を伝える脳のシステムに変化をもたらすと考えられています。
マインドフルネスの効果が及ぶ主な4つの領域を見ていきましょう。
- 島皮質(とうひしつ): 身体の内側の感覚や、衝動的な感情反応、直感に関わります。
- 扁桃体(へんとうたい): 恐怖や不安といった強い感情や、闘争・逃走反応を司ります。
- 外側前頭前皮質(がいそくぜんとうぜんひしつ): 推論、計画、感情のコントロールなどに関わり、衝動的な行動を抑制します。
- 内側前頭前皮質(ないそくぜんとうぜんひしつ): 自己認識や、自分と他者との関係に関する情報を処理します。
マインドフルネスを継続的に行うことで、自己認識に関わる内側前頭前皮質と、恐怖や不安に関わる扁桃体の結びつきが弱まり、感情をコントロールする外側前頭前皮質の働きが強まる と考えられています。その結果、不安感が軽減され、脅威に対する衝動的な反応が和らぐ のです。
今日からできる!マインドフルネスを日常に取り入れる方法|まずは呼吸から
マインドフルネスは、特別な道具や場所は必要ありません。「今ここ」に意識を向ける ことさえできれば、いつでもどこでも実践できます。
ここでは、初心者の方でも簡単に始められるマインドフルネス呼吸法をご紹介します。まずは5分程度の短い時間から試してみましょう。
マインドフルネス呼吸法
- リラックスできる姿勢をとる: 背もたれのある椅子に座るか、ベッドや床に横になるなど、楽な姿勢を取りましょう。
- 視線は自由に: 目を閉じても、開けていても構いません。自分が集中しやすい方を選びましょう。もし目を開ける場合は、一点を見つめるのではなく、ぼんやりと見つめるようにします。
- 身体をゆるめる: 肩の力を抜き、全身の緊張を解きましょう。
- 呼吸に意識を向ける: 鼻や口から出入りする空気の流れ、お腹や胸の膨らみやへこみなど、呼吸を感じやすい場所に意識を集中させます。
- 自然な呼吸を続ける: 深く呼吸をする必要はありません。普段通りの自然な呼吸を続けましょう。
- 雑念に気づいたら: 呼吸に集中していると、様々な考えや感情が浮かんできます。それに気づいたら、「あ、考え事が始まったな」とただ認識し、優しく呼吸に意識を戻しましょう。
- 最初は5分から: タイマーを使っても、使わなくても構いません。無理のない時間から始めましょう。
実践頻度: 毎日、少しでも良いので継続することが大切です。5分に慣れてきたら、徐々に時間を延ばしてみるのも良いでしょう。
大切なこと: 呼吸に集中しようとしても、雑念が湧き上がってくるのは自然なことです。「集中できていない」と 自分自身を責める必要はありません。ただ、その都度、優しく呼吸に意識を戻すことが、マインドフルネスの実践です。心が落ち着かないと感じた時に、呼吸に意識を向け直すことができれば、それだけでも大きな進歩です。
仙台泉メンタルサポートオフィスからのメッセージ|心の健康をサポートします
今回のブログでは、マインドフルネスの基本的な考え方や効果、日常生活への取り入れ方についてご紹介しました。
マインドフルネスは、日々のストレスや不安を軽減し、心の平穏を取り戻すための有効な手段の一つです。仙台泉メンタルサポートオフィスでは、マインドフルネスをはじめ、様々な 心理的アプローチを用いて、皆様の心の健康をサポートしています。
もし、ご自身の心の状態についてな悩みをお抱えの方や、専門家によるサポートが必要な場合は、お気軽にご相談ください。私たちは、皆様がより穏やかで充実した毎日を送れるよう、 心理的な面からサポートさせていただきます。