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得意を知って、仕事選びに活かす
転職や就職活動で「自分に合った仕事がわからない」「やりたいことが見つからない」と悩んでいませんか?
WAIS-IV(ウェイス・フォー)は、知的能力の全体像を多角的に把握できる心理検査です。医療機関やカウンセリング場面で行われるこの検査からは、単なる「IQ」だけでなく、どんなことに強みがあるか・苦手が出やすいかといった、仕事や日常生活にも役立つヒントを得ることができます。
通常、WAIS-IVは医療機関において、発達障害や高次脳機能障害などの診断補助として用いられることが多い検査です。そのため、「職業適性を知るために活用する」という視点で実施されることは、一般的にはあまり多くありません。
しかし、当オフィスでは長年にわたって1000件以上の実施経験をもとに、WAIS-IVを就業支援や学習支援の場面でどのように活かせるかを日々探究・実践しています。検査結果を一過性の数値で終わらせず、実生活にどうつなげるかという点に力を入れているのが特徴です。
WAIS-IVの4つの下位検査と日常生活・キャリアへの活かし方
WAIS-IVは、以下の4つの下位検査から構成されています。それぞれが意味する認知の特徴と、日常や仕事での活かし方、適性のある職種例を紹介します。
1. 言語理解(VCI)
特徴
言語による知識、理解力、概念的な思考力を測る指標です。語彙や言葉の意味、抽象的な言語の理解が得意かどうかが分かります。
高い場合の特徴
- 言葉での表現や説明が得意
- 理屈や理論に強く、抽象的な思考もこなせる
- 他者への説明・教育などにも適性あり
日常生活での活かし方
- 複雑なことをかみ砕いて説明する役割を引き受けてみる
- 書く・話すといった言語的な自己表現の機会を増やす
適職傾向
- 教育・研修職(講師、教師)
- カウンセラー、コンサルタント
- 編集・ライター・広報などの言語系職種
2. 知覚推理(PRI)
特徴
視覚情報の理解・空間認識・パターン把握・論理的な思考力を測定します。いわば「見て考える力」。
高い場合の特徴
- 図形やパズル、設計などに強い
- 抽象的な問題を視覚的にとらえるのが得意
- 実物や仕組みを理解するのが早い
日常生活での活かし方
- DIYや設計、マップを読むなど「空間を扱う活動」に挑戦
- チャートや図解を使って情報整理をする
適職傾向
- 設計・建築・エンジニアリング分野
- 製品開発、機械設計、CADオペレーター
- デザイン・クリエイティブ系
3. ワーキングメモリ(WMI)
特徴
短期的に情報を保持しつつ、同時に処理する力。情報を「覚えながら使う」能力を評価します。
高い場合の特徴
- マルチタスクや同時進行が得意
- 物事を整理して覚えるのが上手
- 数字や言語情報の記憶・再現に強みがある
日常生活での活かし方
- TODOリストの活用、情報の整理に強い
- 作業工程を頭でシミュレーションできる
適職傾向
- 事務・会計・データ管理職
- プロジェクトマネジメントや進行管理
- 医療事務・調剤事務など正確性が求められる職種
4. 処理速度(PSI)
特徴
視覚的な情報処理スピードや、単純作業の正確さ・速さを測定します。
高い場合の特徴
- 速く正確に処理する力に優れている
- 単純作業でも集中して継続できる
- 段取りをつけて効率的に進めるのが得意
日常生活での活かし方
- 書類処理、清掃、手続きなどで効率の良さを発揮
- 作業の見える化や時短術の活用が得意
適職傾向
- 事務処理・入力業務・検査・分析業務
- 医療検査技師や軽作業・物流関係
- タイムマネジメントを求められる職種
キャリア選択で大切なのは、「得意を活かす」視点
WAIS-IVは、あくまで一つのツールではありますが、自己理解を深め、自分に向いている仕事・働き方のヒントを得るきっかけになります。
たとえば──
- 複数の指標でバランスが取れている人は、柔軟な職種に幅広く対応できます。
- 一部の指標が高く、他が低い場合は、得意分野に特化した仕事の方がストレスが少なく続けやすいこともあります。
- 苦手な指標があると気づけたなら、それを補う環境やサポートを工夫することがキャリア選択のカギになります。
就職・転職に迷うあなたへ
当オフィスでは、WAIS-IVの結果をもとに、
「自分の強みをどんな仕事に活かせるのか」
「なぜ今までうまくいかなかったのか」
を一緒に整理し、今後のキャリア設計のサポートを行っています。
漠然と「何をすればいいかわからない」と感じている方こそ、まずは自分の特性を知ることから始めてみませんか?
就労支援やキャリア相談の一環として、WAIS-IVの活用も可能です。お気軽にご相談ください。
まとめ
WAIS-IVの4つの指標(言語理解・知覚推理・ワーキングメモリ・処理速度)は、単なるIQではなく、仕事・生活・対人関係など、実生活に役立つ自己理解のヒントが詰まっています。
キャリアの選択や転職の際に、「自分はどんなことが得意なのか?」を改めて見直すことで、より納得のいく選択ができるかもしれません。
WAIS-Ⅳの予約に関する詳細は以下のページをご参照ください
