「また、言えなかった…」「どうせ分かってもらえないし…」
あなたは、自分の気持ちを我慢してしまうことが多いと感じていませんか?
日常生活で自分の気持ちを抑え込んでしまうと、ストレスが溜まり、自己肯定感が低下したり、人間関係で悩んでしまったりすることがあります。
仙台泉メンタルサポートオフィスがお届けする今回のコラムでは、自分の気持ちを大切にし、相手に適切に伝えるためのコミュニケーションスキル「アサーション」について解説します。泉区の皆様が、もっと楽に、自分らしく過ごせるヒントをお届けします。
Contents
なぜ、気持ちを我慢してしまうの?|我慢の背景にある心理
自分の気持ちを我慢してしまう背景には、様々な心理が隠されています。
- 相手に嫌われたくない:自分の意見を言うことで、相手を不快にさせたり、関係が悪くなることを恐れてしまう。
- 争いを避けたい:反論したり、違う意見を述べたりすることで、対立が起こるのを避けたい。
- 自信がない:自分の意見や気持ちに自信が持てず、「言っても無駄だ」と感じてしまう。
- 相手を優先する癖:相手の気持ちや都合を優先するあまり、自分の気持ちを後回しにしてしまう。
- 過去の経験:過去に自分の気持ちを伝えた際に、否定されたり、傷つけられた経験がある。
これらの心理が複雑に絡み合い、私たちは無意識のうちに自分の気持ちを我慢してしまうことがあります。
アサーションとは?|自分も相手も大切にするコミュニケーション
アサーション(assertion)とは、相手の権利や気持ちを尊重しながら、自分の意見や気持ち、欲求を率直に、誠実に、そして適切に伝えるコミュニケーションスキルです。
アサーションは、以下の3つのバランスが大切だと考えられています。
- 率直さ: 自分の気持ちや考えを、遠回しな言い方ではなく、ストレートに伝える。
- 誠実さ: 自分の本当の気持ちや考えを、正直に伝える。
- 適切さ: 相手や状況に配慮した、建設的な伝え方をする。
アサーションは、「我慢する(受動的)」、「攻撃的になる(攻撃的)」のどちらでもなく、「自分も相手も大切にする」コミュニケーションを目指します。
アサーションを実践するための3つのステップ|「言いたいこと」を伝える練習
アサーションを身につけるためには、日々の意識と少しの練習が必要です。ここでは、アサーションを実践するための3つのステップをご紹介します。
ステップ1:自分の気持ちに気づき、認める
まず、自分が何を感じているのか、何を考えているのかを丁寧に観察し、認識することが大切です。「嫌だな」「本当はこうしたいな」という小さな心の声に気づき、それを否定せずに受け止めましょう。
- 例: 頼まれたことを「嫌だな」と感じた。「でも、断ったら悪いかな…」ではなく、「私は今、この頼まれごとをすることを嫌だと感じている」と認識する。
ステップ2:相手への伝え方を工夫する
自分の気持ちを認識したら、それを相手にどのように伝えるかを考えます。以下のポイントを意識してみましょう。
- 「私は~」を主語にする(Iメッセージ):相手を責めるのではなく、自分の気持ちを主体的に伝えます。「あなたはいつも~」ではなく、「私は~と感じています」と言い換えます。
- 具体的な事実を伝える:感情的な言葉ではなく、具体的な状況や行動を伝えます。「あなたはひどい」ではなく、「〇〇されると、私は悲しいです」と伝えます。
- 相手の意見も尊重する姿勢を見せる:自分の意見を一方的に主張するのではなく、「あなたの気持ちも聞かせてください」「もし可能であれば~」といった、相手への配慮を示す言葉を加えます。
- 言葉だけでなく、表情や態度も意識する:穏やかな表情、落ち着いた声、相手に体を向けるなどの非言語的なコミュニケーションも大切です。
ステップ3:小さなことから実践してみる
最初は、家族や親しい友人など、比較的安心して話せる相手との間で、小さなことからアサーションを試してみましょう。
- 例: いつも遠慮して言えなかった「ありがとう」や「助かります」を伝える。
- 例: ほんの少しだけ自分の希望を伝えてみる(「もしよければ、〇〇してもらえると嬉しいな」など)。
少しずつ成功体験を積み重ねることで、自信を持ってアサーションができるようになっていきます。
日常生活で役立つアサーションの例|場面別活用法
日常生活の様々な場面で、アサーションは役立ちます。
- 頼まれたことを断る時:「申し訳ありませんが、今は手が離せないので、お引き受けできません。」(理由を添えると、より丁寧です)
- 自分の意見を言う時:「私は〇〇だと思います。皆さんの意見も聞かせてください。」
- 相手の行動に困っている時:「〇〇されると、私は少し困ります。もし可能であれば、〇〇していただけると嬉しいです。」
- 感謝を伝える時:「〇〇してくれて、本当にありがとう。とても助かりました。」
- 自分のニーズを伝える時:「〇〇について、もう少し詳しく教えていただけますか?」
アサーションを学ぶ上での注意点|焦らず、自分を大切に
アサーションは、すぐに完璧にできるようになるものではありません。焦らず、少しずつ練習していくことが大切です。
また、アサーションは万能ではありません。相手が一方的に攻撃的であったり、全く聞く耳を持たない場合など、状況によっては自分の安全を第一に考える必要があることもあります。
自分の気持ちを我慢しやすい人は、アサーションを学ぶと同時に、自身の思考の癖を見直していくことがより効果的です。

仙台泉メンタルサポートオフィスからのメッセージ|自分らしく輝くために
自分の気持ちを我慢することは、心のエネルギーを消耗させ、生きづらさにつながることがあります。アサーションを身につけることで、もっと自分らしく輝くことができるはずです。
仙台泉メンタルサポートオフィスでは、アサーションに関するご相談や、コミュニケーションスキル向上、思考の癖の見直しのためのサポートを行っています。一人で悩まず、お気軽にご相談ください。