コラム

知っておきたい、心の相談室の選び方:カウンセリングオフィスと心療内科のカウンセリングの違い

前回、「心療内科とカウンセリングオフィスの違い」において、心療内科とカウンセリングオフィスを比較した記事を書きました。今回は心療内科の「カウンセリング」カウンセリングオフィスの「カウンセリング」を比較してみたいと思います。

近年、多くの心療内科や精神科で心理士が採用され、診察と並行して専門的なカウンセリングを受けられるようになりました。アクセスのしやすさや費用面を考慮すると、『カウンセリングオフィスは、一体どのような存在意義を持つのか?』と感じる方もいるかもしれません。利便性や経済性で優位性があるように見える医療機関でのカウンセリングに対し、カウンセリングオフィスは一体どんな人に、どのような価値を提供できるのでしょうか?

今回は、心療内科とカウンセリングオフィスの本質的な違いに焦点を当て、カウンセリングオフィスが特に必要となるクライエント像について、より深く掘り下げて解説いたします。

心療内科におけるカウンセリングの現状と、見過ごせない側面

近年、心療内科においても多様な心理療法が提供され、必ずしも薬物療法のみが中心ではありません。患者さんの根本的な解決に向けたケアを重視する医療機関も増え、通院の利便性や保険適用というメリットもあります。時間や回数についても、医療機関によっては柔軟に対応している場合もあります。

しかし、医療機関である以上、医師の診断と治療計画がカウンセリングの根幹となる点は、カウンセリングオフィスとの大きな違いと言えるでしょう。また、医療資源の制約から、必ずしもクライエントが求めるだけの時間や心理的なテーマに対応できない可能性も考慮する必要があります。

カウンセリングオフィスが「必要」となるのはどんな人か?

上記を踏まえ、カウンセリングオフィスが必要とされるのは、以下のようなニーズを持つ方だと考えられます。

1.医師の診断や治療という枠組みを超え、より自由な形式で 心理的な 探求を深めたい方:

カウンセリングオフィスは、医療行為を前提としないため、クライエントさんご自身の希望やペースに合わせて、より柔軟に、そして深く自己理解や課題解決に取り組むことができます。 臨床的な診断名にとらわれず、 「生きづらさ」そのものや、より個人としての成長を重視したい方にとって、自由度の高いカウンセリングオフィスの環境は重要です。

2.薬物療法に抵抗があり、 心理的なアプローチのみで問題や悩みに向き合いたい方:

心療内科では、症状によっては薬物療法が推奨される場合があります。薬に抵抗がある方や、自身の力で悩みを克服したいと強く望む方にとって、薬物療法を行わないカウンセリングオフィスは不可欠な選択肢となります。

3.特定の領域の専門性や、相性の良いカウンセラーを主体的に選びたい方:

カウンセリングオフィスでは、カウンセラーの専門分野、得意な心理療法、経験などが詳細に公開されていることが多く、クライエントさんはご自身のニーズやフィーリングに基づいて、主体的にカウンセラーを選ぶことができます。特定の 心理療法を受けたい、過去の経験から特定のタイプのカウンセラーを求めているなど、明確な希望がある方にとって、この選択の自由度は大きなメリットです。

4.「病気」という視点だけでなく、個人の持つ可能性の開花にも焦点を当ててほしい方:

心療内科は、症状の改善や機能回復といった医療的な視点が中心となりがちです。カウンセリングオフィスでは、 医学的な視点を持ちつつも、クライエントさんの持つ様々な可能性を引き出し、より充実した人生を送るためのサポートに重点を置くことができます。「ただ辛さを和らげるだけでなく、自分らしい生き方を見つけたい」「まだ見ぬ自分に出会いたい」といった希望を持つ方にとっては、カウンセリングオフィスの方が向いている可能性があります。

5.「今すぐ話を聞いてほしい」というニーズへの対応力:

心療内科は予約が取りづらい場合や、初診までに時間がかかることがあります。一方、カウンセリングオフィスによっては、比較的柔軟に予約を受け付けており、当日や希望のお日にちで対応できる可能性が高いです。「今、誰かに話を聞いてほしい」というニーズに関しする対応力は、カウンセリングオフィスのメリットとなるでしょう。

6.地域に根差した、アットホームな 雰囲気:

大規模な医療機関と比較して、カウンセリングオフィスはより小規模で、地域に根差した運営をしている場合があります。温かく、アットホームな雰囲気の中で、安心して心理的サポートを受けたいと考えるクライエントさんにとっては、選びやすい要素となります。

さいごに

当オフィスでは、心療内科や精神科が提供する医療的な支援の重要性を認識しつつ、カウンセリングオフィスだからこそ提供できる、より深い、パーソナルな心理的テーマへに関するサポートの価値も大切にしています。

もし、上記のいずれかのニーズをお持ちであれば、ぜひ一度、仙台泉メンタルサポートオフィスの扉を叩いてみてください。