Contents
行動改善につまずく意外な原因
カウンセリングの場面で「問題解決のために、まずはスモールステップで始めましょう」と勧められることがあります。
しかし、実際にはなかなか行動につながらず、途中でつまずいてしまう…そんな経験はありませんか?
また、「スモールステップなんて意味があるのかな」と疑問を感じる方も少なくありません。
特に、真面目で責任感が強い方や努力家の方ほど、こんな考えが浮かびやすいのです。
- 「これくらい、できて当たり前」
- 「こんな小さな目標を達成しても意味がない」
- 「もっと頑張らなきゃ」
こうした“当たり前思考”は、一見すると向上心のようにも見えますが、実は無意識のうちに自分へのハードルを上げすぎ、行動改善の妨げになってしまいます。
スモールステップの本質は、「できて当たり前」を積み重ねることではなく、「自信を少しずつ育てること」にあります。
なぜ「当たり前思考」が行動のブレーキになるのか
人は、行動を変える時に小さな成功体験を積み重ねることが非常に重要です。心理学では、このようなプロセスを「スモールステップ法」と呼びます。
ところが「これくらいできて当たり前」と考えてしまうと、せっかくの小さな成功が「評価されない」「無意味だ」と感じてしまい、達成感も自己効力感も得られません。
その結果、次の一歩が踏み出せず、行動改善が進まなくなるのです。
スモールステップを効果的に活用する3つのポイント
1.基準を「理想の自分」ではなく「今の自分」に合わせる
多くの人が「理想の自分」と今の自分を比べて落ち込みます。しかし、行動改善は“今の自分”を出発点にすることで現実的なステップを設計できます。
「今の自分なら何ができそうか?」を正直に考えてみましょう。
2.小さな成功を“あえて大きく評価する”習慣をつける
スモールステップは「達成感」を積み重ねることが目的です。
「たった5分の作業でも、自分は前進した」
「今日は一言でも断れた、自分を認めよう」
このように、意識的に自分の行動を肯定することで、モチベーションが続きやすくなります。
3.“できなかった時”の自分を責めすぎない
スモールステップに挑戦しても、うまくいかない日もあります。そんな時に「だからダメなんだ」と自分を否定してしまうと、さらに行動しにくくなります。
できなかった日は、「今日は調子が悪かった」「明日また挑戦しよう」と、柔軟に自分を受け止めてください。
まとめ:「行動改善は“心のハードル下げ”から」
「これくらいできて当たり前」という考えは、一見前向きなようで実は行動改善のブレーキになります。
スモールステップの本当の目的は、自己否定を減らし、現実的に自信をつけること。まずは、自分に優しく、少しずつハードルを下げて挑戦を続けていきましょう。
あなたのペースで、確実に前に進めます。
仙台泉メンタルサポートオフィスでは
当オフィスでは、認知行動療法やカウンセリングを通じて、現実的なスモールステップの設定や思考のクセの見直しをお手伝いしています。
「なかなか行動に移せない」「自信が持てない」と感じる方は、ぜひご相談ください。
無理のない一歩から、一緒に取り組んでいきましょう。