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公認心理師試験が不安なあなたへ―配点から見る公認心理師試験の点数の稼ぎ方と私の勉強方法-

SAIKORO

少し前に、第4回公認心理師試験の日程が決まりましたね。受験生の皆さんは試験勉強に精が出ていることかと思います。今回は、試験の配点傾向からどのような勉強法が効率が良いか独自の視点から考察してみました。また、私自身の試験勉強方法も記載していますので、是非ご参考ください。

公認心理師試験の配点

 最初に公認心理師試験の問題数と配点を見ていきましょう。

配点

午前77問、午後77問、計154問

事例問題午前、午後19問、計38問、基礎問題116問

配点、事例3点(満点114点)、基礎問題1点(満点116点)、計230点/138点(合格基準60%)

 問題数自体は基礎問題の方が多いですが、配点は事例問題の方が高いです。全体の点数配分でみると概ね半々になっていますね。そして、合格基準は正答率60%程度にあるようです。この配点基準で重要なのは、「何問正解したか」ではなく、「何点取ったかです」。

公認心理師試験は事例問題でどれだけ点数が伸ばせるかが合格のカギ!

 試験勉強をしていると、基礎問題と事例問題では、事例問題の方が解きやすいと感じませんでしたか。私は、試験勉強の時も本番試験の時も事例問題に差し掛かると安心しました(笑)。私の心理師仲間も、基礎問題より事例問題の方が解きやすいと言っている人ばかりでした。

事例問題は、自分のこれまでの経験とか心理職としての常識などをもとに、ある程度感覚的に説くことができると感じています。感覚的に解答を導き出せ、尚且つ配点の多い事例問題の得点率を上げることができれば、基礎問題の正答率の依存度を下げることができます。

事例問題は心理職としての常識問題が多いように思われます。それにプラスαとして、心理検査や精神医学、心理療法について一定の知識が問われる傾向にあります。

以上のことから、公認心理師の勉強法は、事例問題の精度を上げること、基礎知識は心理検査、心理療法、精神医学にスポットを当てた知識の積み上げが良いのではないかと思われます。上記の基礎知識は、日々の実践や大学院での講義などで日々良く用いる知識なので、知識の定着にも苦労はしないはずです。上記の範囲をしっかり整理した後、その他の分野の中で自身の得意分野を中心に知識を広げるイメージで勉強すると良いと思われます。

以上のような考察から、試験合格に必要な点数配分を独自に検証してみました。

事例問題正答率80%(93点/31問正答)、基礎問題は45点(116問/45問正答、正答率38%)で合格基準に達することができます。事例問題の正答率を上げれば上げるほど、基礎問題の正答率に依存しなくて済みますね。

苦手分野は最初から切り捨てる選択肢も!

 統計や脳の働きなど、どうしても覚えづらい領域ってありますよね。自分の苦手分野は最初から切り捨てる選択肢も持ちましょう。公認心理師試験は、100点満点を狙う試験ではありません。正答率60%で合格できる試験です。苦手分野に時間をかけるなら、事例問題とその周辺知識、その他自分の得意な領域(または覚えやすい領域)を中心に勉強することで十分合格が狙えます。特に試験勉強に時間がかけられない人は、苦手な領域は切り捨てる選択肢を持ちましょう。

私の勉強法

 私は第1回公認心理師試験に合格しました。初めての国家試験だったので、過去問などの情報はありませんでした。参考にしたのは、臨床心理士試験の参考書とどこかの試験対策予備校が作成した予想問題集でした。仕事で忙しかったこともあり、当初から7割正答を目指して勉強していました。

 臨床心理士試験の時から事例問題には苦手意識を感じませんでしたので、少しおさらいした程度で、後は臨床心理学領域を中心に勉強を進めていきました。また、問題の選択肢に出てきた分からない用語は、一つ一つ調べていくことを繰り返していました。私の場合、統計が苦手だったので完全に捨てました。このような勉強法で、試験結果はぴったり7割(笑)。私は当時、医療領域と教育領域で働いていたので、精神医学や薬物療法、心理検査や学校教育に関する知識はある程度経験的に蓄積できていたことも大きいと思います。

 公認心理師試験は選択式の問題なので、答えは問題用紙に書かれています。誰が何を提唱したか、この薬はどのような症状に効くか等は完璧に覚える必要はなく、問題を見た時の「何となくこれっぽい」といった直感的な感覚が当たりやすいように思われました。

きちんと勉強していれば、本番の試験で自然と記憶は蘇ってきます(火事場の馬鹿力?)。落ち着いて取り組みましょう。

SAIKORO

公認心理師試験の点数配分を見てみると、事例問題と基礎問題でほぼ半々なんですね。問題数も事例問題の方が少なく、配点も高いとなると、事例問題の解答精度を上げることが、合格に向けたコスパの良い勉強法になりそうです。また、臨床心理士試験も同様の点数配分となっていますので、臨床心理士試験に受験予定の方にも参考になる思います。