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■ 公認心理師試験の問題構成と配点
まず、公認心理師試験の基本的な構成と配点を押さえましょう。
区分 | 問題数 | 配点 | 満点 |
---|---|---|---|
基礎問題 | 116問 | 1点 | 116点 |
事例問題 | 38問 | 3点 | 114点 |
合計 | 154問 | — | 230点 |
合格基準 | — | — | 約138点(60%) |
→ 事例問題は全体の約4分の1の出題数ですが、配点比率は基礎問題とほぼ同等です。
■ 得点戦略:「何問正解したか」ではなく「何点取ったか」
一見すると基礎問題の方が数が多く重要そうに思えますが、配点から見ると事例問題が得点源として非常に大きなウェイトを占めていることが分かります。
つまり、合格に必要なのは「全体の何問を正解したか」ではなく、「どれだけ得点を積み上げたか」という観点です。
■ 事例問題を得点源に
実際に受験勉強を進めると、「事例問題の方が解きやすい」と感じる方も少なくありません。
私自身も、事例問題に入るとホッとした記憶があります。多くの受験者が「基礎問題よりも事例問題の方が取り組みやすい」と感じています。
事例問題は、これまでの実務経験や心理職としての常識に照らし合わせながら、感覚的に正答を導き出せる問題が多いことが特徴です。
さらに、心理検査、精神医学、心理療法に関する基本的な知識を押さえていれば、高得点が狙える問題群でもあります。
■ 具体的な得点シミュレーション
事例問題の正答率を上げることで、合格に大きく近づくことができます。
例えば以下のような得点配分でも合格基準に達します。
- 事例問題:80%正答(31問)= 93点
- 基礎問題:38%正答(45問)= 45点
- 合計:138点(合格ライン)
→ このように、基礎問題が苦手でも事例問題を確実に取る戦略が合格の鍵となります。
■ 苦手分野は「捨てる勇気」も必要
統計や神経系など、どうしても苦手意識が強い領域に無理に取り組むよりも、事例問題+得意な分野に集中する方が効率的です。
公認心理師試験は60%正答で合格できます。100点を狙う試験ではありません。
「苦手分野は最初から切り捨てる」という戦略も、試験対策では非常に有効です。
■ 私の合格体験記(第1回試験)
私は第1回公認心理師試験に合格しました。
当時は過去問もなく、対策教材も手探り状態でしたが、以下のような方針で学習を進めました。
- 参考にした教材:臨床心理士試験の参考書+予備校の予想問題集
- 苦手分野の対応:統計は完全に捨てました
- 重点学習領域:精神医学、心理検査、心理療法、学校領域
働きながらの受験だったため、「満点ではなく合格点を狙う」方針で、7割正答を目指す戦略を取りました。
現在は、過去問のストックも溜まってきているので、過去問を繰り返し解くことをベースに学習を進めていきましょう。資格試験では、過去に出題された問題と類似した問題が繰り返し出題される傾向にあります。
過去問の反復とテキストによる知識の肉付けが合格の近道です。
とはいえ、公認心理師試験は年々難題化している印象です。現在は、事例問題も「ひと目でこれだ!」と言える問題は少なくなり、2,3個の選択肢で悩まされる問題が増えています。しっかりと学習時間を確保していきましょう。
■ 試験当日は落ち着いて!
本番の試験では、勉強した内容は自然と記憶から引き出されます。
「火事場の馬鹿力」のように、集中力と直感が味方になってくれる瞬間もあるはずです。
基本的な知識と事例対応力をしっかりと磨き、配点構造を踏まえた効率的な勉強を進めていきましょう。
ポイントまとめ
- 試験は230点満点、合格基準は約138点(60%)
- 事例問題は3点配点で配点比重が高い
- 事例問題80%正解で合格圏内に届く
- 得意な領域に集中、苦手は切り捨てる勇気を
- 直感的な判断力も試験では重要