公認心理師及び臨床心理士試験、臨床心理士指定大学院受験を目指す人のための用語説明コーナーです。今回はヒューリスティックについて解説していきます。
アルゴリズムとヒューリスティック
ある問題を解決する際に、所定の方法に従うことで時間はかかるけれども必ず正解に繋がる方法をアルゴリズムと言います。反面、必ずしも解決に繋がるとは限りませんが、成功すれば解決に要する時間や労力を大幅に減らせる方法をヒューリスティックと言います。
ヒューリスティックには、トヴェルスキーとカーネマンによって以下のように分類されました。
代表的ヒューリスティック
ステレオタイプ的な判断のことを言います。代表的ヒューリスティックでは、一般的に起こる状況よりも、ありがちだと思う状況を事実と勘違いする「連言錯誤」というミスが生じやすくなります。
「外国人は英語を話すだろう」、「血液型がA型だから几帳面」等が代表的ヒューリスティックの例として挙げられます。
利用可能性ヒューリスティック
頻繁に接しているものや思い出しやすい情報に基づき判断することを言います。利用可能性ヒューリスティックは以下のような要因で生じます。
・頻繁に接しているもの:習慣的行動やよく目にする広告
・個人的に関わりのあること:自分の体験や周囲に起こった出来事
・インパクトある出来事:衝撃的なニュース
・具体性があるもの:友人やウェブサイトの口コミ
係留と調整ヒューリスティック
最初に得た情報を基準とし、後続の情報を調整しながら最終的な判断することを言います。例えば、「定価10万円のテレビ」と「定価15万円のテレビが今だけ10万円」と提示されると、後者の方がお得に感じますね。このように、最初に提示された情報が印象に残って、その後の意思決定に影響を与えることがあります。
再認ヒューリスティック
良く見聞きするものと、そうでないものからなる選択肢を判断する場合、既知のものを高く評価する傾向を指します。例えば、聞いたことの有る都市とそうでない都市のうち、どちらの人口が多いか訊ねると、「知っている都市」の方が多いと答える割合が多くなります。
ヒューリスティックは、いくつかの種類に分かれていますので、それぞれの特徴をしっかりと把握しておきましょう。